これからテリアを飼う方のために、セダークリークスの子犬の飼育方法を書きます。
新しい環境に行く子犬は勿論、飼い主の方も不安だらけだと思います。
少しだけでも参考にしていただければ幸いです。
テリア種は一般的に“きつい犬種”といわれていますが、新しいオーナーにお渡しするのは生後約2ヶ月です。
この時期は他の犬種同様純真無垢な可愛い子犬です。その後の管理が大きな比重を占め、性格は左右されます。
“きつい犬”にならないために、家族の元で子犬に良く話しかけ、物わかりのいい子に育てて下さい。
どのテリアも感性が人間に近く、大変利口な犬種です。利口なため、いつも人間を自分の言いなりにさせようとする傾向があります。
人の話をよく聞く犬種なので、子犬の時期は誉める・叱るということを繰り返し、家族全員で愛情をもって「しつけ」てください。
そして、どの子犬も家族としていつまでも可愛がられ、幸せな一生であることを願っております。
食 事
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1日4回 朝・昼・晩・寝る前。毎回食べるだけあげます。すぐに食べ終わるようでしたら量が少ない証拠です。 子犬用パピーフード+ミルク(犬用かスキムミルク)+プレーンヨーグルト(小さじ1杯を1日1回) ※プレーンヨーグルトは善玉菌を増やす、大変重要な役目を果たしてくれます。一生続けてあげて下さい。 ※フードについて・・・テリアは体質が脂性なので、できるだけ油分の少ないフードにします。 メーカーについては、ロイヤル カナン・ビルジャック・レッドハートをお勧めします。 1日4回食べるだけあげていると少しづつ残す量が多くなってきますので、だんだん回数を減らしていきます。 回数を減らしていく時、その分1回の量を増やしてください。そして、1日3回、2回、1回と徐々に減らしていきます。 但し、テリアは毛が延びてくると体調が分かりにくい場合があります。毛にごまかされないために犬の身体を必ず触ってあげて下さい。 成犬時に太りすぎは良くありませんが、子犬時はちょっと太っている位が丁度良く、あばら骨がごつごつしているようでしたら痩せすぎです。痩せていると感じた場合は食事の回数を増やしてあげて下さい。 |
ワ ク チ ン
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生後2ヶ月位で1回目のワクチンを獣医さんで接種します。免疫がつくまでに約2週間かかりますので、その間は外部の犬との接触は絶対しないで下さい。散歩についても免疫がついてから始めます。 2回目のワクチン接種時は獣医さんの指示に従って下さい。 |
ス ト レ ス
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環境の変化・輸送疲れなどは子犬とって大変なストレスです。元気な子犬でもストレスがたまるとあっという間に体調を崩し、体力が衰えます。その時各種類の寄生虫が活発に繁殖し始めます。下痢をした場合はまず整腸剤を与えて様子を見、続くようでしたら獣医さんで検便して下さい。そして、発見された寄生虫に応じた駆虫薬を与えます。子犬には個体差があり、ストレスのたまり具合もさまざまです。ストレスにならない環境を作ってあげることが大事で、そのためには良く寝かしてあげることです。 ※犬の身体から全ての寄生虫を駆除することは可能ですが、そのためには駆虫薬を与え続けることになり、体力を大変消耗します。散歩に出るようになるとどこに寄生虫・菌があるか分かりません。便が崩れたり、体調が崩れない限り、あまり神経質に成らないようにお願いいたします。 ※下痢が続いたり、数日間食欲がない時には獣医さんに行き、原因にあった治療をしてあげて下さい。 ※神経質な飼い方をすると子犬も神経質になり、お互いにストレスがたまりやすくなります。 |
し つ け
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まず、子犬は起きるとおしっこ、食後にうんちが必ずでます。トイレの場所を決めて(場所は移動しないで下さい)、起きてすぐ、食後すぐその場所へ連れていきます。そして、おしっこ・うんちをするまで待ち、ちゃんとその場でしたらおおげさに誉めてあげます。誉められることは子犬にとって嬉しいことで、誉めてあげることによってより早く覚えるようになります。 新しい環境なので何回も失敗すると思いますが、何回かに1回でも教えた成果がみられるようでしたら「それで良し」で、少しずつでも学習していることを認めてあげて下さい。但し、わざと違う場所でした場合は叱って下さい。子犬なりに注目を浴びたいため、わざとらしく悪さをすることがありますので・・・。 お手・おすわり・待てなどのしつけも、誉める・叱るの繰り返しで学習していきます。 ※誉める・叱るはできるだけおおげさにしてください。 「子犬が手足を噛むので直す方法はありませんか」とよく聞かれます。特効薬がないのが残念ですが、これも噛んだとき怒ることが効果的だと思います。1番良くないとは、噛まれたとき大騒ぎ(悲鳴などをあげること)して逃げることです。この瞬間、子犬は「勝った!」と思い、さらに強く噛んできます。これが習慣付くと成犬になったとき、手のつけられない我が儘で凶暴なテリアになりますので、まだ怒れば直せる子犬時にきちんと躾けて下さい。手足を噛む変わりとして、市販のガムなど堅い物を与えるのも良いのですが、ガムはすぐに飽きるようです。変わりに牛の骨(飲み込むと危険なのでなるべく大きい骨)をあげると長時間飽きずに噛み続けますの試してみて下さい。 ※子犬が新しい環境に慣れるまでに約1ヶ月はかかります。その間に、して良いこと・悪いことを教えて下さい。しつけといういう意味で悪い事をしたら叱る事は大事です。過保護だけではいい子には育ちません。可愛い時期に叱るのは辛いことかも知れませんが、しつけは犬の一生を左右する大事な「愛のムチ」です。誉められる嬉しさ・叱られる怖さを覚えた子犬は成犬になったとき大変賢く、それからの長い犬人生を快適に過ごすことができるでしょう。また、飼い主の皆さまも「飼って良かった」と思っていだだけると思います。 子犬は無の状態で新しい環境に行きますので、成犬時の出来は飼い主の皆さまのしつけ次第でどうにでもなります。愛情を持ってしつけ、良い子に育てて下さい。 |
ハウス飼い
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子犬の時はハウスで寝かせることをお勧めします。ハウスに入れることは狭いところに閉じこめる「可愛そう」なことではありません。ハウスは、家族と充分遊んだ後の疲れを癒す、安らぎの場所です。ハウスに慣れてない子犬は初め泣くかも知れませんが、そのうちに諦めて寝ます。その時の格好はお腹を出して熟睡し、不用心そのものです。「ここは誰にも邪魔されることなく寝られる」と悟ると、疲れた身体を休めるため自分から入って寝る子犬もいます。 ご家族が子犬の動作を見られるときハウスから出して遊び、その時しっかりしつけをします。新しい環境に慣れていない子犬を部屋に出しっぱなしにしては、悪さにきりがなく、その場で叱らず何時間後に叱っても子犬には訳が分かりません。なるべく子犬を叱らないですむ環境を作って下さい。 時が経つと、子犬は新しい家に慣れ、ご家族は子犬の動作が把握できるようになります。一緒に寝るのはそれからでも遅くありません。 また、来客が全て犬好きとは限りません。そういう方がいらしてもハウスの癖をつけているとその間大人しく寝ています。ハウスの癖は成犬になっても役に立ちます。 |
運 動
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初めての散歩はリードを大変いやがります。無理矢理引っ張るのではなく、徐々に慣らして下さい。 また、子犬時は自分の行きたい方向へ引っ張ったり・歩きたくないときは絶対動かないなど苦労されることが多いと思います。徐々に慣らしていくことは大事ですが、しかし、ある程度の回数(個体差がありますが散歩を初めて5回目位が目安)を重ねた後はわがままだけを聞くのではなく、前へ出ようとしたときは叱る、動かなくなったら誉めてでも歩かせるなど工夫をしてみて下さい。そして「外の世界も楽しい」ということを教えて下さい。 運動時間・距離など決められたものはありません。休日の日はいっぱい遊んであげてください。お忙しい日は程ほどに。雨の日まで同じ距離を歩くのではなく、排便をしたらすぐに帰ってくる。臨機応変で良いと思います。子犬に「我慢する事」も教えてください。 ※犬のペースに合わせるのではなく、それぞれの家庭に犬を合わせることで、いい関係が長く保てると思います。 |
トリミング
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硬毛テリアは基本的に毛を抜く犬種です。毛を抜くことによって、抜いた毛根から次の毛がはえてきて、テリア独特の硬い・良い毛が保てます。 トリミングは生後4,5ヶ月から始め、まずは産毛を抜くことで慣らしていきます。その後は月1,2回定期的にトリミングします。 シャーンプーは3,4週間に1度がベストです。テリアは脂性なのでこまめにシャーンプーをすると油分が取れ、かさかさの皮膚になり、ふけっぽくなります。汚れ・体臭が気になったときは蒸しタオルでよく拭いてあげて下さい。 テリアは湿気の少ない英国原産なので暑さには大変弱い犬種です。そのためアンダーコートがあると非常に暑がります。夏など暑い日はアンダーコートを取る作業“レーキング”をこまめにしてあげて下さい。 |
注意点
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日中外へ出すことは日光浴として必要なことですが、季節によって、朝夕の温度差・日没時間などが違いますので風邪などひかさないようにご注意下さい。 ※子犬は遊び疲れるとどこででも熟睡してしまいます。寒くなった時外で熟睡していると自然に体温が下り、風邪をひいたりして体力を消耗します。 テリアは寒さに強い犬種ですが、子犬は他の犬種とあまり変わりありません。寒い夜はハウスの片隅にタオルなどを入れて寝かせて下さい。 フィラリアの予防薬は体重にあった量を与えます。成長過程の子犬は獣医さんへ子犬も連れて行き、その都度体重を計ってください。 また、ノミ・ダニの予防薬として、フロントラインが効果的なので獣医さんでお買い求め下さい。 |